はじめに
2026年4月、自転車にもいわゆる青切符制度が導入され、ニュースなどでもたびたび取り上げられていました。「車道を走るのが原則」のようなルールはもともとあったものであり、扱い方が変わっただけです。
信号を守るとか逆走しないとか、基本的なルールは警察庁のサイトや、自転車ルールブックルールブック(PDF)などにお任せします。
ルールはまず守るとして、この記事では私の基本的な考え方と、プラスアルファ的に安全対策としてやっていることを「行動」と「アクセサリ・ウェア」に分けて紹介します(一部はルールそのものと被ります)。
なお、これだけ対策しているから私は事故を起こさないという主張ではありません。むしろ事故は起こってしまうものだと思います。
ただ、事故の原因には自分でコントロールできることとできないことがあり、コントロールできることを積み重ねることで、事故の確率は減らせると考えています。自分でコントロールできることを単に挙げているという趣旨の記事です。
私は法律の専門家ではありませんので、正確な法律上の定義や正しい用語、解釈についてはお手数ですが他を当たってください。
本記事から e-gov 法令検索へのリンクは「令和8年4月1日 施行」のものです。
基本的な考え方
それぞれの対策の前に、前提となる基本的な考え方についてです。
グレーゾーンと向き合う
たまに「道路交通法にはグレーゾーンがあるから、取り締まる警官の気分次第だ」のような意見を見かけます。取り締まる側の事情は分かりませんが、グレーゾーンや解釈の余地自体はあるでしょう。
しかし、グレーゾーンがあるからと言って、ブラックな行動をするのも違うと思います。結局のところ、取り締まられるかどうかよりも、安全のために交通状況や道路状況、天候などを自分で総合的に判断して、根拠(特に第七十条の「安全運転の義務」)を持って行動をするしかないと思っています。
やらない理由を探すより、安全のために何をするかを考えたいものです。
本当に気にしなきゃいけないのは警官ではなくて、いま、その場の状況でしょう。
自転車の特性
とても身近な存在である反面、歩行者でも車でもないというのは、ある意味中途半端で特殊かもしれません。
対策を考える上で、自転車以下のような特性があるということを抑えると良いと思っています。
- 小さいので見えにくいし、小さい割には早い
- 車より遅い
- ふらつきやすい
- 被害者にも加害者にもなり得る
安全はみんなでつくるもの
これだけいうと綺麗事のように聞こえますが、自分が気をつけてるだけでは限界があるという現実も含まれます。
逆に、相手が気をつけていても自分がミスったら安全は崩壊してしまいます。
これ自体を具体的な行動に落とし込んでいる訳では無いですが、心がけという感じです。
行動編
ここからは具体的な行動についてです。
車に抜いて欲しいときの意思表示
基本的に車道を走るので、特に車にいかに安心安全に抜いてもらうか、ということを気にしています。
「抜いてもらって大丈夫ですよ〜」を意思表示するためにあれこれ考えるのですが、主にやっているのは以下です。伝わっているか自信がないときもありますが。
- ペダルを回さない
- 減速する
- 合図する
- 余裕があれば、後ろの運転手に目を合わせて「どうぞ」みたいな手で合図
- 止まる
- 抜いてもらう道幅がないときや、伝わらないときはいっそのこと止まる
トラックの運転手の方は、抜いた後にサンキューハザードしてくれることがあります。
(サンキューハザードの是非については話がそれるため言及しません)
止まっていて、走り出さないときの意思表示
交差点などで止まっているとき、車から見るといつ走り出すか分からず判断に迷う場面があるかも知れません。なので「まだ止まってますんで、走り出しませんよ」という意思表示をしたいときがあります。
そんなときは、分かりやすくハンドルから手を離すようにしています。伝わってるかどうかはあまり確かめられたことはないんですが・・
なお、自転車を降りて(またがらない)も良いかも知れませんが、歩行者扱いしてもらいたいという目的に限ってやっています。
ハンドサイン(手信号)
「ハンドサインしなきゃいけないのに片手運転は危ないからダメって、法律どうなってんのじゃ〜」という意見を見かけますが、私はハンドサインすることが多いです。
道路交通法第五十三条には以下のように書かれています。
車両(自転車以外の軽車両を除く。次項及び第四項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
この「これらの行為が終わるまで」が結構難しいです。「自転車の特性」にも書いたように、ふらつきやすいですからね・・。しかも曲がる行為と片手がセットであれば、なおさら難しいです。
なので、有り体に言うとハンドルを切るときはハンドサインをやめて両手運転に切り替えています。前述の「グレーゾーンと向き合う」に通じますが、総合的に考えて安全な行動をとる、という考え方です。
自転車ショップのサイトに以下のような説明がありました。
実走では、曲がり始める直前まで合図 → ハンドルを切る瞬間は両手で確実に操作という順序にすると安全です。
やっぱりこれが現実解ですかね。
車の左をすり抜けない・抜かれたら抜き返さない
信号待ちの車の左側をすり抜けたい気持ちになってしまうことがあるのですが、我慢します。対向の右折車との接触を避けるためです。死角になりやすいですからね・・
いわゆるサンキュー事故を避けるためでもあります。
www.youtube.com
一度車に抜かれたその車を抜き返さないようにもしています。
私の走り方の場合、抜き返してもまた車に抜かれます。自動車の立場からすると、何度も自転車を抜かなきゃいけない状況になってしまう。これはストレスというか、何ならリスクを伴う行為を何回も迫られます。なので、お互いのために、抜かれたら抜き返さないようにしています。
ただ、自転車が走るレーンがあるなど、幅が十分にあって自転車と車が干渉しにくい場合は、抜き返すような構図になることはあります。
よく見る
当たり前過ぎて書くのも若干憚れますが、まわりをよく見ないと対策できることも対策できませんね。
歩行者や車、路面などの状況はもちろん、標識やミラーなどなど・・。
よく見ていると「普通自転車歩道通行可」の歩道も結構見つかったりもします。
いざというときは「降りる」
自転車は、自転車から降りて(またがったままではなく)押していけば歩行者扱いになります。歩行者扱いになれば、ゆっくり物事が判断できたり、車両ならではのルールから除外されます。
なので、ルールに迷ったときや、迷わないけど危なそうな時など、いざととなったら降ります。
「迷わないけど危なそうな時」は、たとえば車道の一番左の左折専用レーンで「直進」する時です。自転車としては正しいです(参考: JAF Mate Online のクイズのQ5) 。ですが、対向の右折車のドライバーがそのルールを知らず「予期せず自転車が直進してきた状況」となり、直進の自転車と接触してしまうことも予想できます。なので、対向の右折車がいる時は、降りて横断歩道を渡るなどの対応をしています。
他にも、車道を走っていて後ろの車が抜けずにいるようなときに、安全なタイミングを見計らって降りて、車に先に行ってもらうこともあります。
自転車保険に加入する
これは安全というより安心の方ですが、自転車保険に加入しています。主に加害者になったときのことを考えてのことです。
なお、国土交通省の資料によると、2024年4月1日現在、自転車損害賠償責任保険等への加入の義務付けをしているのは 34都府県、努力義務は 10道県です。皆様のお住いの地域ではいかがでしょうか。
自動車保険に自転車特約を付けられることもありますね。
アクセサリ・ウェア編
安全のために自転車に取り付けたり、体に身に着けたりするものについてです。
お金はかかりますが、お金のかけどころとも言えるかなとも思います。
ヘルメット
もともと中長距離を走るときはヘルメットを被る習慣がありました。2023年4月1日の努力義務化をきっかけに、必ず被るようにしました。5分で行けるようなスーパーにでも被って行きます。
衝撃を受けたら買い替え、何もなくても定期的な買い替えをします。今被っているのは Kabuto の HIKE というヘルメットです。
www.ogkkabuto.co.jp
最近はカジュアルなヘルメットも多くなりました。それでも「スポーティで普段着に合わず抵抗がある」という場合は、サイクルキャップとセットで被ったり、ツバ(バイザー)付きヘルメットを選ぶのもおすすめです。個人的な感覚ですが、ツバがあるとなぜか落ち着きます。
フロントライト
当たり前ですが、暗い時はフロントライトを点灯しています。最初に買ったのが CATEYE で、サポート対応もとても良かったため CATEYE のライトを愛用しています。
使っているのは具体的には以下のものです。
夕方や夜間、トンネルなどの暗いときは「点灯」にしています。明るさは、街中では 200 〜 400 ルーメン程度、街灯が少ないところでは、500 ルーメン以上にすることが多いです。
日中は峠道のカーブで見通し悪いときなど、必要に応じて「点滅」にしています。
参考:
www.cateye.com
リアライト
道路交通法第六十三条の九には以下のように書かれています。
自転車の運転者は、夜間(第五十二条第一項後段の場合を含む。)、内閣府令で定める基準に適合する反射器材を備えていない自転車を運転してはならない。ただし、第五十二条第一項前段の規定により尾灯をつけている場合は、この限りでない。
夜は反射板(リフレクター)かリアライトをつけてね、ということです。
よく売っている自転車の後ろには赤い反射板(リフレクター)がついてるので、それだけでもルール上は大丈夫です。
しかし、早めに、確実に後続に認識してもらうためには、リアライトが欲しいところです。使っているのは具体的には以下のものです。
モードは若干迷うところもありますが「点灯」か、あまり早くない「点滅」にしています。
リフレクター自身も自動点滅するものにしています。
参考:
www.cateye.com
反射ベスト
定期的に夜に自転車で出かける用事があり、その時は以下の反射ベストを着けています。いずれブルベに参加するときにも使えるかなと思って買いました。
www.amazon.co.jp
結構反射してくれて良い感じです。後ろのポケットがあって自転車乗りに優しいのもポイント高いです。
背面の反射材は脇に配置されているので、細めのバックパック(例)であれば背負っても反射材が隠れにくい仕様になっています。
ベストは上半身に着用するものなので、各種ライトより上に位置します。そのため、ライトのみの点ではなく、縦の線、または面になり、視認線が高まるのかなと思います。
以下のブルベに参加されている方の動画でも同じベストを着用しているようでした。
www.youtube.com
バックミラー
最近、小さめのバックミラーを付けました。私の場合はドロップハンドルのバーエンドに付けています。
www.cateye.com
ミラーがあっても目視による確認が必須です。例えば、後ろにいることの確認はできても、(死角があるので)いないことの確認にはならなかったりもするので。
今のところ特に有用だと思うタイミングは夜間です。車の音よりも先に、ヘッドライトをミラー経由で認識できるのが安心感に繋がっています。
リアレーダー
車が近づいてくることを検出してくれる機器です。いくつかのメーカーから発売されていますが、私は Trek の CarBack という機種を使っています。
www.trekbikes.com
中長距離を走る時に付けています。一昨年に北海道を走る時のために買いました。
私は GARMIN のサイコンと組み合わせて表示するようにしています。以下のような動作イメージです(動画には路上の音が含まれます)。
バックミラー同様、あくまで補助的な利用にとどめています。
おわりに
自転車を安全に運転する上での私の基本的な考え方と、行動やアクセサリ・ウェアについてご紹介しました。
今回挙げたことは、これまでのヒヤリハットなどの経験からくるものも含まれます。これからも経験や、見落としていたルールを知ったりすることで、行動を変えたり工夫を追加することはあるかもしれません。
参考(再掲含む)
www.npa.go.jp
www.npa.go.jp
自転車ルールブックルールブック(PDF) ← わかりやすさと詳細さがよいです。
www.youtube.com